Claude Opus 4.7、Duoの標準モデルに
ソフトウェアを作る仕事をしている人たちが日常的に使う業務ツール「GitLab(ギットラブ)」に組み込まれたAI機能「Duo(デュオ)」が、2026年4月28日、最新AI「Claude Opus 4.7」へと切り替わった。GitLabは、Fortune 100企業の半数以上が使う、コードを書き、チームで共有し、バグを管理する——その作業をまとめて引き受けるツールだ。Duoはその中で、コードの作成支援からセキュリティ上の欠陥の自動修正まで開発作業を補助するAI機能にあたる。設定の変更は必要ない。GitLabを使っている企業なら、翌日から使える状態になっている。
今回の切り替えで特に変わるのが、AIが一度に「読める」情報の量だ。Claude Opus 4.7は文庫本10冊分ほどのテキストを一度に処理できる。コードの一部だけを切り取って確認するのではなく、プロジェクト全体を俯瞰した上でミスを指摘したり、修正案を出したりすることが可能になる。
オランダのソフトウェア企業Cubeでは、GitLabの公式発表によると、すでに実際の開発現場への導入が始まっており、ソフトウェアの計画から出荷までのプロセスが速くなったという。
既存のAWS・GCP契約のまま動く
新しいAIツールを会社に導入しようとすると、まずベンダーの選定、IT部門の評価、法務・調達の審査、新しい契約の締結——この手順を踏むだけで半年が過ぎることがある。今回の統合は、その入口から変えた。
割引枠・既存契約はそのまま使える
大企業の多くは、AWSやGoogle Cloud(グーグルが提供するクラウドサービス)と大口の契約をすでに結んでいる。今回の統合では、そのクラウドサービスの既存の契約の中でClaude Opus 4.7が動くとGitLabは説明している。新しいベンダーとの交渉も、追加の導入評価も必要ない。
コスト感覚を具体的に示す数字もある。GitLabが公表する試算によれば、標準的なコードレビュー1回あたり0.25ドル程度——ただしプランや利用規模によって変動するとしている。コードレビューのたびに請求がいくらになるか気になる——そういう問題に、具体的な金額の目安で答えを出している。
社内サーバー環境でも利用可能に
医療や金融など、情報を社外のサーバーに送ることができない業種の企業は、クラウド型のAIを実質的に使えないケースが多かった。
今回の統合では、自社のサーバー内だけでAIを完結させる選択肢も用意されているとしている。データが外部に出ない構成のまま最新AIを使える。コンプライアンス上の理由でAI導入を見送ってきた企業にも、現実的な入口が生まれた。
AI予算と承認ルールが一本化された
IT部門の障壁が消えた。残る壁は財務と法務にある——AI専用の予算はどう確保するか、AIの行動を誰がどう記録するかだ。
GitLabへの支払いにAI料金を統合
従来、AnthropicのAIを使おうとすると、Anthropicとの別契約が必要だった。今回の統合ではその仕組みが変わった。GitLabを通じてClaude Opus 4.7を使った分の料金が、AWSやGoogle Cloudへの既存の支払いにまとめられる。つまり「AI活用のために新しい予算枠を設けてください」という社内稟議が一本減る。財務部門への説明がシンプルになる。
コストの管理も階層化されているとGitLabは説明する。組織全体・チーム・個人の3段階で利用上限を設定でき、どの部署が何にいくら使ったかを把握できる。
AIの提案は既存の承認フローに自動記録
新しいAIツールを導入するとき、必ず問われるのが「AIが何をしたか、誰が承認したか、後から確認できるか」という問題だ。専用の管理システムを別途立ち上げるコストが、導入を見送る理由になることがある。
GitLabによると、Claude Opus 4.7がGitLab上で行った提案や操作はすべて、GitLabの既存の承認フローと監査ログに自動的に記録される——誰が何にAIを使ったか、別の管理システムを立てることなく把握できる。
インフラの契約も、予算の管理も、承認の記録も——「新しいものを追加しなくていい」。それが今回の統合が企業に示した、もっとも実質的な変化だ。
