株式会社ナレッジセンスは2026年4月14日、法人向けAIチャットサービス「ChatSense」に新機能をリリースした。AI上の会話内容を、画面のボタンを押すだけでAIが回答時に参照するデータとして即座に保存できるようになった。これまで「会話内容をコピー→文書にまとめる→アップロードし直す」という3段階の手作業が必要だったが、この機能によりひとつの操作に置き換わった。
ChatSenseが4月14日に新機能、AI会話を学習ソースへ即時追加
ChatSenseは、社内マニュアルや業務資料をあらかじめ読み込ませ、AIが回答する際にそのデータを参照できる仕組み——いわばAI専用の「参照メモ」——を管理できる法人向けサービスだ。東証プライム上場企業や国立大学、自治体を含む500社以上に導入されている。
今回追加された機能は、その参照メモをAIとの会話から直接補充できるようにするものだ。会話内容は学習ソースとして即時に登録され、次の会話からすぐに参照できる状態になる。ファイルの作成もアップロードも必要ない。
AIの”参照メモ”は更新されない——現場に広がる壁
使い続けるほど知識が古くなる問題
AIは、最初に読み込ませた資料だけを頼りに回答する。ChatSenseに社内マニュアルや業務資料をアップロードした時点の情報がそのままAIの「知識」になり、その後に変更された手順や現場で積み重ねたノウハウは、更新作業をしない限りAIには届かない。使い続けるほど、社内の実態とAIの回答の間にズレが広がっていく構造だ。
更新作業の手間が継続運用の障壁に
RAG(ラグ)——AIが社内資料を参照しながら回答する仕組み——は企業のAI活用で採用が広がっているが、Gartnerの調査では6割以上の組織が参照データの継続的な管理を課題として挙げている。更新のたびに発生する手作業の負担が継続運用の障壁になっているのは、個社の問題ではなくRAGを導入した組織に共通する構造的な課題だ。
ボタンを押すと何が起きるか
会話テキストが即時に参照メモへ追加される
会話の一問一答(1ターン)が1件のデータとして参照メモに追加され、次の会話からすぐに参照できる状態になる。際立つのは反映のタイミングだ。翌日や翌週を待つ必要がなく、操作した直後から利用できる。午前中に確認した手順を午後の業務でそのままAIに問い合わせられる——更新と利用のあいだにあった時間的な空白が消える。
追加データは企業専用環境に隔離保存
登録されたデータは各企業の専用領域に隔離して保存される。複数の企業が同一システムを利用していても、A社の情報がB社のAIに参照されることはない。
ナレッジセンスは情報セキュリティの国際認証「ISO 27001」を取得している。機密情報の管理基準が厳しい企業や自治体がChatSenseを選ぶ背景には、この認証が示す安全管理の担保がある。
対象と料金、導入状況
料金はビジネスプランが月額980円/人〜。初期費用はなく、1名から契約できる。本機能が利用可能なプランの範囲、および保存操作を実行できるユーザーの権限設計(全員が利用可能か管理者のみに限定されるかなど)の詳細は、ナレッジセンスの公式サイトで確認のこと。
富士通ゼネラルは契約書類の確認や社内問い合わせ対応に、群馬県は行政業務のデジタル化にChatSenseを活用している。日本の生成AI市場は94.3億ドル規模に達するとされており、業務用AIの整備需要は拡大局面にある。
