Preferred Networks
「チップからロボットまで、AIのすべてを自前で作る」
- AIインフラ
- 🇯🇵 東京
- 📈 シリーズD+
累計調達額
246億円
カチャカ AMR国内販売台数シェア
1位
Green500世界1位
通算 3回
Preferred Networksとは?
累計調達額246億円
OpenAIもGoogleもNVIDIAのGPUを買い集めるなか、PFNは自分でAIチップまで設計しています。
なぜPFNは「全部自分で作る」道を選んだのか?
Timeline
沿革
東大発のAIベンチャーとして創業。当初からロボットや自動運転など「現実世界にAIを持ち込む」ことを志向していました。
創業わずか1年半で日本最大の自動車メーカーとタッグを組むという、スタートアップとしては異例のスタートです。
工業用ロボット世界最大手との連携で、大企業と組んで技術を社会実装するPFN独自のビジネスモデルが固まりました。
スーパーコンピューター(普通のPCで何年もかかる計算を短時間でこなす巨大コンピューター)の電力効率ランキングで頂点に。ソフトだけでなくハードも自前で作る会社へ進化しました。
2020年6月・2021年6月に続く3冠。チップ設計力が一発屋でないことを証明しています。
家庭や工場で自分で動き回るロボットを製品化。研究だけの会社から、消費者向け製品を持つ会社に変わった転換点です。
PFN発表によれば、中央省庁での文書作成支援や法令調査に活用される見込み。AIチップ→ロボット→大規模言語モデル→国家プロジェクトと、事業領域が一気に広がっています。
About
PFNを一言で
AIの研究室が、工場になった会社
- 深層学習の研究から始まり、チップ・LLM・ロボットまで自社開発する垂直統合型AI企業
- 東大の同級生2人(西川徹・岡野原大輔)が創業した研究者集団
- トヨタ・ファナック・JR東海など日本の製造業・インフラ大手がパートナー
- PLaMo 2.0 Primeが日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞を受賞
VS
何が違うのか?
業界の常識 vs PFN
GPUに依存せず自社でAIチップを設計する
NVIDIAのGPUを大量に買い集めて計算力を確保する。
AI専用チップ「MN-Core」を自社設計し、Green500で通算3度の世界1位。
APIで売らずロボットに載せて物理世界へ出す
AIをクラウドAPIとして提供し、月額課金で稼ぐ。
自律走行ロボット「カチャカ」に載せて工場へ送り込み、AMR国内販売台数シェア1位。
クラウドに集約せず新幹線沿線に分散する
巨大データセンターにサーバーを集中させて規模で勝負する。
JR東海と組み、東海道新幹線沿線にAIチップを分散配置するエッジDCを構想。
普通のAI企業は「ソフトを作る会社」か「チップを作る会社」のどちらか。
PFNは両方やる。だから他社には真似できない。
このPFNが自前で作るチップ——MN-Coreとは一体何なのか。次のコラムで技術的に噛み砕きます。
Leadership
経営陣
東大の同級生2人が「外」と「中」を分担する技術者経営
Toru Nishikawa
西川徹
技術者が経営も握る創業者
東京大学工学部卒 / ICPCワールドファイナリスト / PFN創業
国際プログラミングコンテスト(ICPC)の世界大会に出場するほどの技術者でありながら、トヨタ・ファナック・JR東海といった大企業とのパートナーシップを自ら構築してきた経営者です。「ソフトだけでは世界は変わらない」という信念のもと、チップからロボットまで垂直統合で攻める事業戦略を主導しています。
Daisuke Okanohara
岡野原大輔
AI研究の最前線に立つCRO
東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了 / 自然言語処理・機械学習研究者 / 著書多数
深層学習(ディープラーニング)の研究者として国際的に知られ、PLaMoの技術的方向性やMN-Coreチップのアーキテクチャ設計を統括するサイエンス側のトップです。著書『大規模言語モデルは新たな知能か』では、LLMの本質を一般の人にもわかる言葉で解説し、AI研究コミュニティの外にも広く名前が知られています。
経歴
| 学歴 | 東京大学工学部卒業 |
|---|---|
| 前職 | Preferred Infrastructure 共同創業 |
| 現職 | Preferred Networks 代表取締役CEO |
西川氏の役割は「外」——事業戦略とパートナーシップの構築
技術のわかるCEOが直接大企業の経営層と交渉するからこそ、創業1年半でトヨタとの共同研究にこぎつけるような異例のスピード感が生まれています。
経歴
| 学歴 | 東京大学大学院情報理工学系研究科 博士課程修了 |
|---|---|
| 前職 | Preferred Infrastructure 共同創業 |
| 現職 | Preferred Networks 代表取締役CRO |
岡野原氏の役割は「中」——技術と研究の方向性を決めること
西川氏と東大の同級生という関係から始まったこの二人体制が、PFNの「技術で勝負する」という文化の根幹を作っています。CEOもCROも技術者出身だからこそ、研究成果を製品にする判断が速いのです。
ひとこと補足
PFNの自作AIチップはなぜ世界1位を取れたのか
GPUじゃダメなの?——PFNが「自作チップ」にこだわる理由
AIの計算には「学習」と「推論」の2つがあります。学習はAIを賢くする段階、推論は賢くなったAIを動かす段階。ChatGPTに質問して答えが返ってくる、あれが推論です。
NVIDIAのGPUは「何でもできるけど電気を食う」汎用チップ。PFNのMN-Coreは推論だけに特化し、余計な回路を削ぎ落としました。結果、電力効率の世界ランキング「Green500」で通算3度の世界1位。電気代が安く発熱も少ないから、工場や鉄道沿線といった「現場」にも置ける。JR東海との新幹線沿線DC構想は、この省電力があってこそです。
最新の「MN-Core L1000」は、GPUで10台必要な処理を1台でこなせる水準(PFN公表値)。ただし比較条件の詳細は未公開で、他社との単純比較には注意が必要です。
なぜチップまで自作するのか? 自前で持てばNVIDIAにGPUを借りる必要がなく、コストを自分でコントロールできる。さらに顧客のデータを外部に送らずに済むので、機密情報も守れます。
Technology
PFNの技術とプロダクト
LLM・AIチップ・ロボットの3本柱を、すべて自社グループで開発する
PFNの事業は大きく3つの柱で成り立っています。
国産の大規模言語モデル「PLaMo」、推論特化の自社設計AIチップ「MN-Core」、そして自律走行ロボット「カチャカ」。ChatGPTのようなクラウドAPI提供が主流のAI業界で、PFNはソフトウェアからハードウェアまでを自前で揃え、さらにそれをロボットという物理的な製品に載せて現場に届けるところまでやっています。この「全部自分で作る」構造こそが、PFNを他のAIスタートアップと根本的に区別するポイントです。
海外製LLMに頼らない「国産フルスクラッチ」という選択
PLaMo——国産フルスクラッチLLM
日本語特化の大規模言語モデル
PLaMoは、学習データの収集からモデル設計、学習基盤の構築まで、すべてをPFNが一から手がけた国産LLM(大規模言語モデル——大量のテキストを学習し、文章生成や翻訳などをこなすAI)です。最新の「PLaMo 3.0 Prime」では長時間かけて段階的に考える「Reasoning(長考)」機能を搭載し、日経優秀製品・サービス賞の最優秀賞も受賞しています。ChatGPTとの最大の違いは、企業や官公庁が自社のサーバー上で動かせること。データを外部に送らずに済むため、機密性の高い業務にも使えます。PFNのプレスリリースによれば、PLaMo 2.0 Primeはデジタル庁のガバメントAI試用モデルに選定され、2026年8月から中央省庁での文書作成支援や法令調査に活用される見込みです(ただしこの情報はPFN側の発表が一次ソースであり、政府側の公式発表による裏付けは本稿執筆時点で確認できていません)。翻訳特化の「PLaMo翻訳」や画像も理解する「PLaMo-VL」など、用途別のファミリー展開も進んでいます。
GPUの「何でもできる」を捨てて、推論だけに振り切った
MN-Core——推論特化の自社設計チップ
電力効率で世界1位を3度獲得したAI専用プロセッサー
前のコラムで詳しく触れましたが、MN-CoreはAIの「推論」——つまり学習済みモデルを動かして答えを返す処理——だけに特化した自社設計チップです。汎用的なGPUから不要な回路を削ぎ落とすことで、圧倒的な電力効率を実現しました。搭載スパコン「MN-3」はGreen500で通算3度の世界1位を獲得しています。最新世代の「MN-Core L1000」はさらに推論性能を引き上げ、MN-Coreシリーズ公式サイトによれば、Llama 3.1 70B級のLLM推論でGPU構成比約10倍の性能改善を実証しています(測定条件の詳細は前述のコラムを参照ください)。電力効率が高いということは、データセンターだけでなく工場や鉄道沿線といった現場にも設置しやすいということ。JR東海との新幹線沿線エッジDC構想も、このチップの省電力性能が前提になっています。
2026年4月、AMR国内販売台数シェア1位を獲得
カチャカ——AMR国内シェア1位の自律ロボット
PFN子会社Preferred Robotics製の自律走行搬送ロボット
カチャカは、PFNのAI技術を物理世界に持ち出す「出口」です。AMR(Autonomous Mobile Robot——自律走行搬送ロボット)と呼ばれるジャンルの製品で、地図を自分で作りながら障害物を避けて走り、モノを運びます。子会社Preferred Roboticsが開発・販売しており、2026年4月時点でAMR国内販売台数シェア1位を獲得しました。ラインナップも広がっていて、業務用の「カチャカプロ」、100kgまで運べる大型の「カチャカEvo」と用途に応じた選択肢があります。富士フイルムマニュファクチャリングではカチャカプロ4台を導入し、月間110kmの自動搬送を実現して工場内物流の省人化に成功しています。さらに、店舗DXプラットフォーム「MiseMise」を通じて飲食店や小売店への展開も始まっており、工場だけでなくサービス業にも活躍の場を広げています。
Partnerships
パートナーシップ
パートナーが「PFNの技術は本物か」を業種横断で証明している
PFNのビジネスモデルは、自社で完成品を大量に売るのではなく、各業界のトップ企業と組んで「その業界固有の課題」をAIで解くという形で成り立っています。
注目すべきは、パートナーの顔ぶれが製造・エネルギー・インフラ・政府・化粧品と驚くほどバラバラなこと。これは逆に言えば、PFNの技術が特定の業界だけでなく横断的に使える汎用基盤であることの証拠です。
創業1年半で共同研究契約を結んだ最初の大型パートナー。自動運転や製造現場のAI応用で連携し、現在も主要株主として資本面でPFNを支えています。
工業用ロボット世界最大手。ロボットの動作最適化にPFNのAI技術を組み込む協業で、「大企業と組んで社会実装する」PFNのモデルを確立しました。
PFNのグループ会社Preferred Computational Chemistry(PCC)が運営する汎用原子レベルシミュレーター「Matlantis」を導入。触媒や電池材料の新素材開発で、従来手法比1万〜10万倍の高速化を実現しています。Matlantisは2026年4月時点で世界150社・機関以上が利用しており、シミュレーション速度は最大8,000万倍に達すると発表されています。
「北アジアBig Bangビューティーテックイノベーション2025」で、Matlantisがリサーチ&イノベーション部門の最優秀スタートアップに選出。素材シミュレーションの応用先がエネルギーだけでなく化粧品にまで広がっていることを示す好例です。
2026年3月発表。東海道新幹線沿線にMN-Core等のAIチップを分散配置するエッジデータセンター構想を共同で検討しています。鉄道設備のリアルタイム異常検知や保守効率化が狙いです。
PFNの発表によれば、国産LLM「PLaMo 2.0 Prime」が試用モデルに選定され、2026年8月から中央省庁での文書作成支援や法令調査に活用される見込みです。
パートナーが事業領域を証明する構造
インサイト: なぜ「誰と組んでいるか」が最大の指標になるのか
PFNのパートナー各社は「AI企業に出資する」のではなく、「自社のドメイン課題をPFNと一緒に解く」ために組んでいます。トヨタは自動運転、ファナックはロボット制御、ENEOSは新素材、JR東海はインフラ保守、デジタル庁は行政事務——課題のジャンルがここまで散っているのに同じ企業の技術が使われているという事実が、PFNの基盤技術の汎用性を何より雄弁に語っています。裏を返せば、PFN単体の売上や市場シェアが見えにくい未上場企業だからこそ、「誰と組んでいるか」がその技術力の最も信頼できる指標になっているのです。
行政・製造業・化粧品——まったく違う業界がPFNの技術を評価している
Voices
業界の声
行政・製造業・化粧品——まったく違う業界がPFNの技術を評価している
国産LLM「PLaMo 2.0 Prime」をガバメントAIの試用モデルとして選定。2026年8月から中央省庁での文書作成支援や法令調査における有効性を検証する。
自律走行ロボット「カチャカプロ」を4台導入し、基板マガジン搬送を自動化。月間110kmの自動搬送を達成し、工場内物流の省人化に成功した。
「北アジアBig Bangビューティーテックイノベーション 2025」にて、Matlantisがリサーチ&イノベーション部門の最優秀スタートアップに選出。化粧品素材開発へのAI活用が国際的に評価された。
汎用原子レベルシミュレータ「Matlantis」を導入し、触媒や電池材料の新素材開発で従来の計算手法(DFT)比1万〜10万倍の高速化を実現。探索できる素材候補の数が桁違いに増えた。
「全部自分で作る」からこそ、リスクも自分で背負う
⚠ Risk Assessment
リスク評価
「全部自分で作る」からこそ、リスクも自分で背負う
収益化の道筋が見えない
累計246億円を調達済みですが、売上規模は非公開。カチャカのロボット販売、Matlantisのサブスク、PLaMoの法人ライセンスと製品は動き始めていますが、研究開発費を回収できる段階かは不透明です。投資家の資金が途切れる前に収益が回り始めるかが最大の焦点。
NVIDIAのエコシステムという巨大な壁
AI開発者の大半はNVIDIAのGPUで動くソフトを使っていて、乗り換えにはソフトの書き直しやエンジニアの再教育が必要。性能で勝っていても「今ので十分動いてるのに、わざわざ変える?」と判断される可能性があります。
手を広げすぎるリスク
チップ、LLM、ロボット、シミュレーション、データセンター——それぞれにNVIDIAやOpenAI、Googleといった強豪がいます。全部自前は強みですが、246億円で5つ同時に攻めるのは心もとない金額でもあります。
AI人材の争奪戦
Google、OpenAI、Anthropicは桁違いの報酬で人材を引き抜きにかかります。上場して株式報酬を使えるようになるか、収益が安定するか——どちらかが実現しないと、人材流出リスクは時間とともに高まります。
「非常識」の代償
インサイト: 4つのリスクは1本の糸でつながっている
PFNのリスクは、すべて「全部自分で作る」という戦略から派生しています。チップを自作するからNVIDIAと戦わなければならない。ロボットも作るからリソースが散る。最先端の研究者が必要だから人材コストが高い。そして全部を回すには収益が必要だけど、まだ見えていない。この4つのリスクは独立しているように見えて、実は1本の糸でつながっています。どれか1つが崩れると、他も連鎖的に揺らぐ構造です。逆に言えば、MN-Coreの外販が軌道に乗るか、PLaMoの官公庁導入が本格化するか——どこか1つでも収益の柱が立てば、全体が一気に安定に向かう可能性もあります。
What’s Next
今後の展望
「推論コストが下がる世界」に先回りする3つの賭け
PFNの次の一手は、すべて1つの読みに基づいています。
AIの世界では、モデルを賢くする「学習」のフェーズはGoogleやOpenAIのような資金力のある巨人がクラウドで回せばいい。でも、賢くなったAIを実際に動かす「推論」は、使う場所の近くで、安く、速くこなせた者が勝つ——PFNはそこに全チップを張っています。
自作AIチップを売り始める
2026年中に推論特化チップ「MN-Core L1000」の外販を開始予定。これまで自社用だったチップを売り始めれば、「研究所」から「チップメーカー」への転換になります。GPU比約10倍の性能(PFN公表値)を武器に、実際の買い手がつくかが2026年後半の最大の見どころです。
国産AI「PLaMo」を官公庁・企業に広げる
PLaMo 3.0 Primeの正式版に加え、金融・医療など業界特化モデルも拡充中。PFN発表によれば、PLaMo 2.0 Primeがデジタル庁のガバメントAI試用モデルに選定済み(政府側の公式発表は未確認)。「国の業務で使われている国産AI」という実績は、民間への導入を後押しする強力な武器になります。
新幹線沿線にAI計算拠点を作る
JR東海と共同で、東海道新幹線沿線にAIチップを分散配置する構想を検討中。鉄道設備の異常をリアルタイムで検知し、データをクラウドに送らず現場で処理を完結させる狙いです。MN-Coreの省電力性能がなければ成り立たない、PFNならではの展開。まだ検討段階ですが、実現すれば世界的にもユニークな事例になります。
すべての賭けは「推論の勝者」になるためにある
インサイト: MN-Core L1000・PLaMo・エッジDCが1本の戦略に収束する
MN-Core L1000、PLaMo、エッジDC——一見バラバラに見えるこの3つの展望は、実は同じ戦略の上に乗っています。「学習はクラウドの巨人に任せて、推論のコストと速度で勝つ」という賭けです。自社チップで推論コストを下げ、そのチップを新幹線沿線に置いて現場で動かし、その上でPLaMoを走らせる。全部つながっています。
この賭けが当たるかどうかは、推論需要が今後どれだけ爆発するかにかかっています。AIが「たまに使うツール」から「常時動いているインフラ」に変わるとき、推論コストは学習コスト以上に重くのしかかる。PFNはその未来に先回りしているのです。
AIチップ「MN-Core」からロボット「カチャカ」、国産LLM「PLaMo」まで、ソフトとハードの両方を自社で作る日本唯一の垂直統合型AI企業
Green500で通算3度の世界1位を獲得した電力効率は、NVIDIAのGPUに依存しない独自路線の裏付け
カチャカはAMR国内販売台数シェア1位。富士フイルムの工場で月間110km自動搬送を実現するなど、AIが「現場で動いている」実績がある
最大の試金石は2つ——MN-Core L1000の商用化と、PLaMoのデジタル庁での本格運用。どちらか1つでも収益の柱になれば全体が回り始める
「全部自分で作る」は強みであると同時にリスク。NVIDIAのエコシステムという壁、収益化の不透明さ、リソース分散の危うさを抱えたまま走っている
Takeaway
この記事のポイント
- AIチップ・LLM・ロボットをすべて自社で作る日本唯一の垂直統合型AI企業。累計調達額246億円
- MN-Core搭載スパコンがGreen500で通算3度の世界1位。推論特化チップ「MN-Core L1000」はGPU構成比約10倍の性能改善を実証(ただし比較対象GPUや測定条件の詳細は未公開)
- カチャカはAMR国内販売台数シェア1位。富士フイルム工場で月間110km自動搬送の実績あり
- PLaMoはPFN発表によりデジタル庁ガバメントAI試用モデルに選定。ただし政府側の公式発表による裏付けは未確認
- 最大のリスクは収益化の不透明さ。カチャカ販売・Matlantisサブスク・PLaMoライセンスと収益源は複数あるが、売上規模は非公開で黒字化の時期は見えていない
— 読了お疲れさまでした。この企業の最新動向は、AI産業通信で随時更新します。
編集部コラム
「全部やる」を笑えない理由
PFNは「選択と集中」の真逆を行っています。チップ、LLM、ロボット、シミュレーション、データセンター——普通なら「手を広げすぎ」と言われる布陣です。
でも調べるほど、これは散漫ではないと感じます。MN-CoreがあるからエッジDCが成り立ち、その上でPLaMoが動き、カチャカが賢くなる。一見バラバラな事業が1本の背骨でつながっている。
この構造、Appleに似ています。自社チップの上にOSを載せ、サービスを載せる。規模は違えど、設計思想はまったく同じです。
Appleは数十兆円の売上でこの統合を支えていて、PFNは246億円。心もとないのは事実。
ただ「全部つながっていないと解けない問題」を選んでいるのだとしたら、これは無謀ではなく唯一の正解かもしれません。
Company Data
基本情報
| 正式名称 | 株式会社Preferred Networks |
|---|---|
| 設立 | 2014年3月 |
| 代表者 | 西川徹(CEO)・岡野原大輔(CRO) |
| 本社 | 東京都千代田区大手町 |
| 従業員数 | 約400名 |
| 累計調達額 | 約246億円 |
| 主要株主 | トヨタ自動車、ファナック、ENEOS、三井物産、日本政策投資銀行 |
| 主要子会社 | Preferred Robotics(カチャカ)、Preferred Computational Chemistry(Matlantis)、Preferred Elements(PLaMo) |
| 公式サイト | https://www.preferred.jp |